23話 私と陛下と懐刀…
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森での出来事
彼は再び心に傷を負う
私はあの方と出会う
それは突然に
また夢を見た。この間見たケテルブルクでの夢のような暖かさはない。それは何故かアクゼリュスでの出来事を見たときの夢よりも暗くて怖かった。それが何の恐怖なのか分からない……夢だと感じた、気付いたときに即座に頭を過ぎったのはただ、怖かった。すぐにでも誰かに助けを求めたいくらい怖かった。誰?あなたは誰?やめて!?私に何をするの?怖い怖い怖い……私の前に誰かいる。その誰かが段々と私に近付いてきて私の見えない右目に手を近づける。私は取り押さえられているのか動けない。いくら身を捩ってもビクともしない。前に立つ人物の手は光っていて、それに恐怖を感じた。
『危険』――脳裏に浮かんだ言葉。
その人物の手が私の右目に触れる。手が触れたのと同時に手の中の光は私の右目に流れ込む。電撃が走ったような感覚。そして……
「いやああぁぁぁーっ!!」
何かの衝撃が走り、目が覚める。意識が戻ると頬が痛かった。じんじんと痛む頬の痛みが私の意識を浮上させる。
「…真咲?」
私を覗き込んでいるのはティアだった。どうやら、魘されている私をティアが頬を叩いて起こしてくれたらしい。額に浮かぶ汗を拭い、上半身を起こす。体中にも汗を掻いていて正直気持ち悪い。
「かなり、魘されていたけど?」
返事が出来なかった。確かに怖い夢を見たはずなんだけど……内容は何故か全く覚えていない。怖くて怖くて仕方ないのに。それは分かっているのに内容は全く覚えていない。