22話 銀世界で紡ぐ導きの歌
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「おおー、一面雪景色!」
ホテルを出て、向かった先は街の北口前にある広場。夢の場所はここではないかと思い、辺りを散策してみる。雪はまだ降っていて、空が薄暗くなり始めているからか、広場には子供たちの姿はなかった。
「さすがに寒いなぁ」
手を擦り合わせるが、この寒さでは何の効果もない。
「よしっ」
広場の中央に立ち、手を前に出し杖を召喚する。崩落して以来、魔術は使えた試しはない……杖は召喚出来ても術は発動出来ない。でもそれを試したのはワイヨン鏡窟に向かう途中まででダアトに向かう辺りからは試していない。
「無数の光よ……」
久々に言葉を紡げば、私の周りに幾つもの小さな光が現れた。
「よかった……小さい術だけど発動してくれた」
ホッと胸を撫で下ろす。もしかしたら攻撃系の術も使えるようになっているかもしれない。そうすればみんなの足手まといにならないはず。魔術が使えることに安心して手の中の杖を消し、すーっと息を吸う。冷たい空気が肺の中に入り込む。そして………
「のびた人影を――」
雪で覆われた世界の中心で歌を口ずさみ始める。白の世界で歌う私……先日見た夢はきっとこれ。何を歌っていたかなんて覚えていないけど、ふと思いついたのはこれ。
誰もいない白銀の世界……
私は歌う
それが何を示しているのか分からない
歌ってはいけない気がするのに
歌わなければならない気がする
私は……
あなたを………
歌い終え、足跡も何もない雪に視線を下ろしたときだった。