22話 銀世界で紡ぐ導きの歌
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ここが知事の屋敷ですよ。さぁ、入りましょう」
街に着いてジェイドに案内されたのはケテルブルクホテルの先にある大きな屋敷。彼は玄関の扉を開けて中へと入っていく。私以外の全員が人様の家に勝手に入っていいものかと首を傾げたが、そのままジェイドの後を追って入る。奥の一室の前で立ち止まり、扉をノックするとジェイドは返事を待たずにがちゃっとドアノブを回して部屋の中に入る。いくらジェイドと言えども黙って中に入るのはマズいのでは?とみんなが思ったが止める間もなく彼は中に入ってしまった。
「……お兄さん?」
部屋の主に怒られるのではないかとみんなが冷や冷やしているところに、部屋の奥の執務机の椅子に座っていた女性がジェイドを見て声を上げた。
「お兄さん!?」
驚きの声を上げ返した私たちに気付いたジェイドの妹…ネフリーはこちらに顔を向けて小さく微笑んで会釈した。確かによく見ればジェイドに似ている。
「やあ、ネフリー。久しぶりですね。あなたの結婚式以来ですか?」
「お兄さん!どうなってるの!?アクゼリュスで亡くなったって……」
ジェイドが笑顔で軽い挨拶をすると、ネフリーは驚きを露わにする。実の妹ならば軍から報告を受けていて当たり前。何にしても、どのみちピオニーから報告は行くだろうけど。
「実はですねぇ……」
何が起こっているのか、事情の分からないでいるネフリーに一度、眼鏡の位置を直しながら今までの経緯を説明し始める。その間、誰も言葉を発せず部屋の中はジェイドの声だけが響いた。
「とまあ、そういうわけでして」
話の内容自体はかなり深刻な、緊迫しているはずなのに説明した張本人の表情はにこやかだった。こっちが脱力してしまいそうなくらい急に空気が変わった………もう少し真面目にしようよ。