22話 銀世界で紡ぐ導きの歌
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「虫酸が走りますね」
その笑顔の裏で何を考えているのやら。下手に想像するとこちらに被害が及ぶのでやめておこう。
「なぁ、ケテルブルクの天才って、どっちもアレだよな」
「まあ、な」
ルークがガイにボソッと呟くと、ガイは眉を寄せて同意した。天才だけど……中身はと言いたいのだろう。
「お二人とも、トクナガのように改造してあげましょうか?つたない技術ではありますが、私にも出来ると思いますよ」
わざとらしく言うジェイド。ルークとガイは一瞬にして顔色を変え、首をぶんぶんと横に振りながら、つ、謹んで遠慮させていただきます!と同時に言った。
「そうですか?ずっと役に立つかもしれませんよ?」
…マッドサイエンティスト。まだルークとガイイジメをしているジェイドの脇で、視線を逸らして口内で呟くとがしっ!と音とともに頭に痛みが走った。
「ぎゃあ!痛い!いーたーいーっ!!」
「何か言いましたか?」
痛みの原因は当然、ジェイド。ダアトのときのように頭を鷲掴みにして力を込められた。声に出してないから聞こえてないと思ったのに……甘かった。
「と、ともかく。知事にお会いに行くのでしたわね?」
「そうでした。遊んでいる場合ではありませんでしたね」
「遊びで人の頭を掴まないで下さい!」
助け船を出してくれたのはナタリア。今、思い出したかのようにジェイドはやっと私の頭から手を離す。痛みと掴まれてぐしゃぐしゃになった頭をさすりながら怒鳴る私は完全スルーされた。
「大丈夫、真咲?」
「うぅ~後で髪の毛、結い直さないと…」
頭を察り続ける私の側にアニスが寄ってくる。かなり大袈裟に痛がってたから心配してくれたのか…と思ったけど違った。顔がにやけてるもん。また変な風に考えてるんだろう、と。そう察して何も言わずにアニスの頭を軽く小突けばアニスは、えへっと舌を出して笑った。全く、言うだけ無駄なんだから。