4話 見えない不安
夢小説設定
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「まぁ、今は身の安全を保障しましょう」
今は…ね。一、二時間もすればそれどころではなくなるけどね。生き残ることを優先しないと。
「そうだ、ジェイドさん。お願いがあるんですけど」
両手を胸の前で合わせて、チラリとジェイドの顔を見上げる。生き残った上で、これから必要なこと、だと思う。
「何ですか?」
「この世界の文字の読み書きが出来るようになりたいんです。分からないと不便ですし…出来ればですけど」
段々と声が小さくなっていく。よく考えたら彼に頼むのはおこがましいのでは?ゲーム感覚で考えてたけど現状では軍の師団長で階級だって大佐なんだ。言ってから、しまったと思う。図々しいですねぇ~とか言われそう。
「いいですよ。確かに不便ですし、知らないと怪しまれますしね」
へっ?と間抜けな声を上げ、ジェイドの顔を凝視してしまった。
「あなたが異世界の人間だと知っているのは私達だけです」
と言葉を続けた。どうやら、怪しまれる発言に驚いたと思ったらしい。あっさりと了承したことに驚いたのに。
「いいんですか?」
「ええ。ですが、私はスパルタですよぅ~」
確認のために聞き返せば、楽しそうに笑いながら言う。お願いする相手を間違えたかな。