22話 銀世界で紡ぐ導きの歌
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「はい。ケテルブルクは、二人の天才を排出したんです。譜業のネイス博士と、譜術のバルフォア博士」
片方はベルケンドで聞いた名前……バルフォアはもちろん、スピノザが発したジェイドの旧姓。それを思い出したのか、ルークがジェイドを見る。
「ネイス博士というのはもしかして……」
「ディストです」
ケテルブルクの二人の天才。ティアもディストがジェイドを『友』と呼んでいたことを思い出したのか、イオンの方を向いて尋ねるとイオンは、はいと頷いた。
「はぅあ!?ディストが天才!?」
にっこりと笑顔を浮かべるイオンの言葉にアニスは大袈裟に仰け反った。まぁ……分からないでもない。譜業椅子を作ったり、コーラル城にあったレプリカを作る譜業装置もいとも簡単に操作するくらいなんだから凄い人なんだろうけど……あのナルシスト振りやジェイド馬鹿を見ちゃうと信憑性に欠けるんだよね。
「そんなに驚くことはないでしょう?あなたの音素振動数に反応して、トクナガを巨大化するように改造してくれたのは、ディストじゃないですか」
イオンが更にそう言うと真っ先に反応したのはティア。トクナガを…彼が…?と半ば信じられないといった表情を浮かべているものの、頭の中では、彼があんな可愛い物を作ったと感心しているというか、彼女の中のディストの印象が逆転したんだろう。あーティア、顔が赤らんできてるし口元も弛んでるよ……可愛いからいいけど。
「ディストはあれで寂しがり屋なんです」
いつも一人のディストを不憫に思ったアニスが声をかけたらお礼にトクナガを作ってくれたと。
「悪い奴じゃないんだけど……いい奴でもないんだよね。二言目には大佐の話しかしないし」
そう言えばそうだったと。アニスは言いながらジェイドをチラリと見る。そのジェイドは笑みを浮かべていた……逆に怖いよ。