22話 銀世界で紡ぐ導きの歌
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「真咲!?」
肩を掴まれ、意識が浮上する。何度か瞬きし、焦点が定まれば私の顔を覗き込んでいるジェイドの顔があった。彼にしては珍しく少し焦ったような余裕のないような表情をしていた。
「どうしたのですか?気分が悪いのですか?」
「い、いえ……」
なに?何だったんだろう……私は、一体。夢……いつもの夢なの?白の世界の中心で歌う私と……あとは、誰?って……あれ?
「夢…」
「夢?」
ぽつりと呟くように言うとジェイドも私の言葉を繰り返す。
「は、い……真っ白な世界で私が、私が歌っていて……そこに誰かが来て、話して…それで、あれ?…えっと……」
そこまで話してその先が分からなくなった。何だったけ…?真っ白な世界…歌…傍に来た誰か……その先が分からない。それが重要な気がしてならない。必死に思い出そうとしていると、そっと頭を撫でられた。考え込んでいるうちに俯いていた顔をゆっくりと上げる。まだ心配そうに私を見下ろしている。何か……久しぶりだな。こうして頭撫でられるのも。
「白昼夢、ですか?」
「そう、かな?でも、魔界でも一度見ているはずなんですけど…」
そのはずなんだけど思い出せない。魘されてるわけでもないから悪い夢じゃないと思うけど……立ったまま、白昼夢を見るなんて初めてだよね?怖くはない。寧ろ……だけど思い出したくない。いけないんじゃなくて……思い出したくない。
「無理に思い出そうとしないほうがいいですよ」
頭から手を離し、微笑むジェイド。確かに、思い出せないにしてもいつもの、千里眼と呼ばれるあの夢ならそう遠くないうちに現実として起こるかもしれない。
「もう、休みなさい」
頬をひと撫でされ、艦橋の外へと促される。私は小さく「はい」と返事して部屋に戻って休んだが…その後あの夢は見なかった。