22話 銀世界で紡ぐ導きの歌
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「一応、応急処置はしたがあまりもたないぞ」
私とガイで出来る範囲の応急処置はしたものの長くは持たないから、どこかで修理をした方がいいと報告する。するとティアがここからならケテルブルクが一番近いと言った。やはりケテルブルクには行きたくないのか、ジェイドは歯切れ悪く仕方なさそうに了承した。
「真咲はここに残って下さい」
ケテルブルクに向かうことを決めた私たちは、操舵をジェイドに任せて各々、部屋で休むために艦橋を後にしようとしたとき、そのジェイドに声を掛けられた。
「……何ですか?」
最近、何かと突っかかって衝突してしまうためか何か後ろめたいようなばつの悪いような気がしてならない。操舵席にいたジェイドは私の前まで来ていた。
「感情を殺さないと人を斬れないのなら、剣を手にするのは止めなさい」
真っ直ぐと私を見下ろして、声音を低くして言う。気付かれてたんだ…そうしないと人を殺せないことを。
「……剣をくれたのはジェイドさんですよ?それに魔術はまだ使えないから、戦う手段はこれしかないですし……」
「剣を使えと言った覚えはありません。それはカモフラージュです。軍人が街の外で武器を持っていないのは不自然ですからね」
言い訳がましく私が反論すれば、ジェイドは冷静にそう返した。ジェイドもじゃん、って思ったけど、どうせ口で勝てるわけもなく、そのまま黙り込んでしまう。せめて少しでも術が使えればよかったのに。そうしたらこんな事言われなかったのに。
「戦うなとは言いません…以前、あなたの決意は聞きました。ですが、罪悪感に堪えられないのなら止めなさい」
私は覚悟しきれていない……そうかもしれない。でも立ち止まれない。ルークだって頑張ってるだ。この先、魔術が使えるようにならなくても………
「私はこの剣で戦います」
腰の剣に手を置いてジェイドを見上げる。久しぶりにちゃんと目を合わせたかもしれない。
「……わかりました」
溜息は吐かれたものの了承はしてくれた。よかったとそう安堵したときだった……それが起こったのは。