21話 為すために出来ること
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「まぁ、いいけどぉ~。それにしても、またこのメンバーが揃ったね」
長々と私とイオンが話していたから、みんなは心配を通り越して怪しんでたけどとりあえずイオンが適当に誤魔化してくれた。ジェイドも何か聞きたげにしてたけど、イオンがあの微笑みを浮かべれば、さすがのジェイドもそれ以上は聞いてこなかった。
「これもローレライの導きなのでしょうね」
アニスの言葉にイオンが全員を見回した。ローレライの導き、か。イオンには悪いけど私はローレライの導きは信じていない……半分は私情が入ってるけど。ローレライのせいで私はいつ乖離して死んでもおかしくない体なのだから。対立した理由がハッキリしないから実際ばかり私の独りよがりの意見なのかもしれないな。
「そうですわね。ユリアの預言に関わる者。各国の重要な立場の人間。けして偶然ではないような気もいたしますわ」
そう言ったナタリアはルークの方に向き直し、じっと彼を見つめる。
「……それしにても、ルーク……髪を切ったせいでしょうか。随分雰囲気が違いますわね」
「そ、そうか?」
自分ではどう変わったのか分からなくて、頭に手を置く。前より表情も彼を取り巻く空気も柔らかくなっている。これが本来のルークなんだ。誰よりも優しい、誰よりも人を思いやれる……これがルーク。私は、前より可愛くなったよと言いそうになったけど、それはさすがに口を噤んだ。
「確かに、あなたなりにいろいろと思うところがあったのかもしれませんね。まあ、いまさらという気もしますが」
「うんうん、人の性格なんて、一朝一夕てには変わらないもんね~」
彼を取り巻く雰囲気や態度が変わったのは認める。でも最初からそうだったらこうはならなかった……そう言いたいのだろう。アクゼリュスは崩落せず、死ぬ人もいなかったと。ちらりとジェイドが私に視線を向けたのは分かった。それは、私の右目と腹部の傷のことも含んでいるということなのかもしれない。