21話 為すために出来ること
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「……真咲?それは……」
「はい……アッシュがその話を聞いたのは五年前……ですから、その導師とは当時生きていた…被験者イオンです」
イオンは泣きそうに顔を歪め、そのまま俯いてしまった。その心境はイオンにしか分からない。辛いのか、怖いのか、怒っているのか…それは、イオン自身にしか分からない。
「ごめんなさい、イオン様。私、知ってたんです。アクゼリュスの崩落のことも……イオン様とルークのことも…全てではないですが」
知ってたんです。私も顔を伏せるしか出来なかった。まともに彼の顔を見れなかった。罪悪感が湧き起こる。予知夢とかそんなんじゃなくて私は知っていた。それを知っていたアッシュは私を責めなかった。私は……甘えすぎている。未だに全てを話せないのが証拠だ。
「理由は……まだ言えません。力のことは本当にアッシュに聞くまで知らなくて…でも、イオン様のことは……」
「いえ、その事についてはいずれ分かることです」
あまりに身勝手なことを言っている私にイオンはゆっくりと首を振る。先程までの悲痛な悲しい表情はもうなかった。イオンは強い。自分とちゃんと向き合っている。だから人と向き合える。ルークの事も気付いていたから、知っていたから……彼は……
「まさか、真咲が知っているとは思いませんでした。僕がレプリカということを……ですが」
一度目を伏せ、次に目を開けたときにはイオンはいつものように微笑んでいた。
「僕はあなたを信じます。あなたがこの世界に来た意味……僕はそれを知りたい。あなたは世界を導いてくれる。僕はそう信じてる」
今度は私が泣きそうだ。何でこんな私を信じてくれるのだろう。私はみんなを裏切っているようなものなのに……大罪人なのに。
「皆さんの元に戻りましょう。そろそろ、心配してますよ」
「……はい」
イオンは強くて優しいね。私もいつかこんな強さを持ちたい。イオンの十数倍も長く生きてるのに……情けないね。この旅で私は変われるのかな?