21話 為すために出来ること
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「人を……また殺しました。すみません、教団の人間。神託の盾兵を私は………」
「いえ!それは、僕たちを助け出すためですよね?なら、僕はあなたを責めることは出来ません」
あの日のことは当然、イオンも知っている。私がまた人を殺めたことにイオンは悲痛な面持ちを浮かべ、首を横に振った。自分のためにしてくれたことだと。
「それと……イオン様にお話しておきたいことが」
「僕に、ですか?」
私のことを知っている、イオンには話しておかないと。先日のことを。
「私の…力のことです」
真っ直ぐにイオンを見つめ、先日のアッシュとの会話を話し始めた。私の力のそれぞれの名称と能力について。そしてイオンが前に教えてくれた私の前世の少女の名前がルーチェだと言うこと。それは、イオンがその事を知った、隠蔽預言に書かれていたことを。
「えっ……僕が見たときには、そんな事は書かれてなかった。一体、誰から……」
私のことを話すと言うことは、彼に真実を伝えなければならない。私が全てを知っている……そこまでは話せないけど。でもその事はジェイドもすでに知っていることだ。
「私に教えてくれたのはアッシュです」
「アッシュが?ですが彼が何故、導師しか知らない隠蔽預言のことを?」
代々、導師のみにしか伝えられない隠蔽預言。それをアッシュが知っている。いくら六神将だからといってそれを知ることは出来ないはずだ。
「……アッシュは……導師から聞いたと言っていました」
「僕はあなた以外の誰にも話してません。それに彼は僕以上に知っている……まさか!?」
私は頷いた。目を見開いて驚いているイオンを見つめたまま。彼はこれで理解したはずだ。誰がアッシュ話したのか。その人物の存在を私も知っていること。ただ……どうして私がその人物を知っているのかだけは、不思議に思っているかもしれない。