21話 為すために出来ること
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「う~ん」
助けに来たのはいいが、扉には鍵が掛かっていて部屋の中には入れず悪戦苦闘していた。教団に一番詳しいアニスでも、内側から鍵をかけられていてはどうしようも出来ないし、アニスは導師守護役……イオンに一番近い人間だから、その辺の神託の盾兵に聞くわけにも行かない。
私はこの先、どうすればいいのか知っている。このままじゃ埒が明かないし……しょうがないから手助けしてあげるか。と内心溜息を吐いて、目的の物の前に行く。
「…アニス」
「なになに?」
扉近くのドラの前に立ち、手招きしてアニスを呼べばアニスはてけてけと私のそばに寄ってくる。
「これって何なの?」
本当は知ってるけど、わざと知らない振りをして目の前のドラを指差す。
「集合の合図のドラだよ……あっ!」
「ミュウ~」
これはねぇって説明するアニスは私の言いたいことが分かったのか声を上げる。私はルークの足元にいるミュウを手招きして呼ぶ。
「真咲さん、何ですの?」
ぴょこぴょこと私の足下にまでやって来たミュウは首を傾げる。あっ、可愛い、とか思いながら抱き上げて、ドラの方を向く。アニス以外のみんなも何だ何だと側にやってきた。
「ミュウ。このドラに向かってアタックして」
私がそう言うとミュウは、はいですのと返事をして目の前のドラに向かって"ミュウアタック"をする。ゴーンと音が鳴り響けば、部屋の内側から鍵を開けて数人の神託の盾兵たちが部屋から出てきた。
「んっ?集合か?」
「――っ!誰だ!?」
集合の合図と間違えて出て来た神託の盾たちは、きょろきょろと辺りを見回し、ドラの前に立つ私たちに気が付く。よくこうも上手く引っかかってくれるものだ。