21話 為すために出来ること
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そうです。ティア、お願いできますか?」
「……わかりました。自治省の詠師トリトハイムに願い出てみます。おそらく教会の中にいるはずです」
他に侵入方法はない……ティアは頷き、こっちですと教会の方へ歩き出す。私たちも後を追い、教会への階段を登っていく。その途中、先を歩くアニスがルークに振り返った。
「ルーク。もう体は大丈夫なワケ?無理しないで、ず~っと寝ててもよかったのに~♪」
イヤミを言うアニス。クスクスと笑いながら言うアニスの姿を見て、ルークが眉を寄せて顔を歪めた。
「アニス!!」
「おいおい、きっついなぁ…」
私は諌めるようにアニスの名を呼び、ガイは苦笑を浮かべる。確かにルークは取り返しの付かない事をしてしまった。その代償に彼は一度、全てを失ったというのに……みんなの元に戻るのにどれだけの勇気が必要だったか。やっぱり、すぐには分かって貰えなんだ。
「いいんだ、真咲。言われても仕方ないよ。でも寝てるわけにいかないんだ。何を言われたって、俺はやらなきゃ」
私に微笑んだ後、前を真っ直ぐ見据えて言うルーク。辛いのを我慢しているのが分かるよ。唇が少し震えてる…でも、それが君の決心なんだね。
「あれ?なんか熱血君になっちゃったの?…まっ、そんなことよりもイオン様とナタリアだね。早く助け出さないと」
「そうだな、早くトリトハイムって人に会いに行こう」
ルークの変貌を見て首を傾げた後、まるでどうでもいいように言い放つアニス。ルークが頷き、先を急ごうと促すと今度は目を見張る。
「へっ?ルークが仕切るんだ!?」
アニスの何気ない一言。この言葉にルークはショックを受け、視線を地面へと落とす。そんなルークが痛々しくて、私は彼の腕に自分の腕を絡ませる。