21話 為すために出来ること
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「…けたたましいな」
「まぁ…アニスだし」
ルークの後ろにいる私たちに気づいたアニスが一人騒いでいると、ガイが疲れたように肩を落として呟いた。私も、あははと笑いながらそう言うしかなかった。
「アニス、とりあえずイオン様奪還のための戦力は揃えました。お二人はどうされてます?」
話を戻すようにジェイドが割り込む。放っておくと話がどんどん別の方向に行っちゃいそうだしね。
「イオン様とナタリアは、教会の地下にある神託の盾本部に連れて行かれました」
手を挙げてここで得た情報を報告する。
「そっちも勝手に入っていいモンなのか」
「いえ。一般の人が入れるのは教会までよ。地下の神託の盾本部は、神託の盾の人間しか入れないわ」
ルークがティアに訊くと、ティアは首を横に振った。参拝の出来る教会とは違い、さすがは神託の盾騎士団の本部ともなれば話は別。要はマルクトやキラムスカの軍事基地と同じなのだ。軍の機密事項が眠っているところに関係者ではない一般人が入れるわけがない。
「侵入方法はないのか?なんとしてでも二人を助けなけりゃ、本当に戦争が始まっちまう」
「っていうかぁ、もう始まりそうだけどぉ」
焦りの入った声を出すガイ。アニスはダアトの港ですでにその雰囲気だったことを思い出したのだろう。
「ティア。第七譜石が偽物だったという報告は、まだしていませんよね?」
「あっ、私たちを証人として、本部に連れて行ってもらうんですね?」
ティアに振り返り、そう言ったジェイドの言葉を私が引き継ぐ。ルークのこととちょっと険悪気味になってしまったジェイドのことばかり考えていたから、物語のことをすっかり忘れていた。もう……私はこの物語にとって無関係の人間じゃない。知ってしまった…私は、生まれ変わった場所は違えど、このオールドラントの人間なんだ。まだ私がこの地に来た本当の意味は分からないけど……今はやれることをしないと。