21話 為すために出来ること
夢小説設定
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「……十分悪役だよ」
ぼそりと口内で呟いたのにジェイドは私の頭を掴む力を強めた。
「痛いです!」
「おや?そうですか?」
よくもまぁ、そんなすっとぼけたような言い方が出来たもんだよ。分かっててやってるんだから……何か、やだな。さっきのタルタロスから変に意識しちゃって。バカみたい……
「こんなところで遊んでいる時間はないわ、急ぎましょう」
私たちのやり取りを呆れた表情で見ていたティアは一人先に歩き出してしまった。顔を見合わせて私たちは先に行ってしまったティアを追う。
「とりあえず、中に入ってみましょう」
「誰でも入れるのか?」
教会の前にある長い階段……その前にある噴水の前まで来たけどアニスの姿はない。ティアがそう提案すると、ルークが尋ねる。
「ええ、教会は誰にでも門を開いているわ。止められることはまず……」
ルークの問にティアが答えようとしたときだった……
「うおおぉぉっ!?」
脇の道からアニスが飛び出してきた。驚いたガイが叫び声をあげてルークの後ろに隠れた。
「アニス!?」
「ほわっ!アッシュ、髪切った!?」
髪が短くなったルークを見たアニスに『アッシュ』と呼ばれて、悲しそうに泣きそうに顔を歪めてしまった。……辛そうだな……ルーク。でも、しばらくは仕方ないのかな。すぐに分かって貰えないだろう。今後のルークを知っているからこそ、すぐにでも理解して欲しいけど…崩落後すぐのルークを見たみんなはそうはいかない。
「お、俺は……」
「あ、違った。ルークだ――って!ええええっ!?何で、お坊ちゃまがこんなところにいるの!?…てか後ろにいるのは大佐たち!?わっは♪これって、ローレライの思し召し?」
狼狽え、上手く喋れないルーク。アニスもよく見ればアッシュじゃないことを気づき、ああと手を打った。