20話 あなたに逢える喜びを
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「……そんな泣きそうな顔をしないで下さい」
「してません!!」
目頭が熱くなったのを感じる。たぶん興奮しすぎたからだろう。
「私だって…知ってたのに。どんな形でも知ってたのに……私の事は責めないくせに……」
ぐいっと袖で目元を拭う。涙声になってきてしまい言葉が詰まる。知ってるのに言えない、言わない罪悪感に押し潰されそうにもなる。
「真咲…」
「君だけのせいじゃない…俺だってルークの異変に気付けなかった」
ずっと傍観していたティアが私の名を呟き、ガイも首を振って側に寄ってくる。
「…何ですか?私一人が悪者ですか?」
肩を竦めて溜息を吐くジェイド。その声は不満と不機嫌さが含まれている。
「…だって…私だって…悪いのに。私が一番悪いのに…」
まるで子供だ。ジェイドがいい年して大人気ないと言うのなら、私はいい年した子供だ。ジェイドがルークに対してそういう態度を取ってしまうのは分からないでもない。実際私だってゲームをやってるときはそう感じたから。でも、このオールドラントに来て、ルーク達一人一人に触れてそれぞれの良いところを見てきた。ルークにも良いところはいっぱいあった。
「真咲…いいよ。俺は大丈夫だから」
ジッとジェイドを睨み付けている私の肩をルークが手を置く。
「ルーク…ゴメンね」
「いいよ。真咲が気にすることじゃないよ」
これじゃあどっちが大人と子供なんだか分からないね。
「真咲」
ジェイドは困った顔のまま私に声を掛ける。名前を呼ぶ声も何処か寂しげだったせいかさっきほどの怒りはなくなってしまった。
「そんな顔をしないで下さい。心が痛みます」
「なら、ルーク一人を責めることを言わないで下さい」
苦笑を零すジェイドに私はもう一度言う。これだけは絶対に譲れないから。