20話 あなたに逢える喜びを
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「…意外ですね」
「何がですか?」
途中、休憩を入れて簡単な食事をしているときに唐突にジェイドが切り出した。いきなり何を言っているのか分からず首を傾げる。
「いえ…こういったのは出来ないのかと」
手伝うように言ったのは自分だが、私がここまで出来るとは思わなかったみたいだ。おかげで予定より早く修理工程が進んだと感心された。
「そうですね…音機関はまだよく分からないですけど。一応、元の世界では似たような仕事をしてましたし、機械とか弄るの嫌いじゃないですよ」
最後の一口を口に放り込む。それを飲み込んでジェイドの方を見て微笑む。ちなみに私が遅いだけなんだけど、ジェイドは既に食べ終わっている。
「ん?」
私がそう言い終えるとジェイドは眉を顰めた。何か変なことを言ったかな…それともやっぱ、女が機械弄りとかが好きっておかしいのかな?それとも……うーん、まさかと思うけど…
「元の世界のこと、気にします?」
食べ終わった食器を洗いながら訊いてみれば図星だったのか、表情を隠すように眼鏡に手を置く。みんなが気にしすぎなのか私が気にしなさすぎなのかこの話になるとみんな表情を曇らせる。
「ジェイドさんが気にすることじゃないですし、私は帰りませんよ」
洗った食器を片付け、ジェイドの前まで行き腰に手を当てて言う。手で顔を覆ったまま黙り込んでいるジェイドを放って置いて、先に行きますよと作業に戻ろうと扉に足を向けると後ろから左手を掴まれた。
「…なっ!?」
「あなたは…何をまだ隠しているのですか?」
左手を掴まれたまま後ろに引かれ椅子に座らせられる。私の背にはテーブルがあってそれにジェイドが左手を付いているため、逃げることは出来ない。ちょっと待って!見ようによってはこの体勢ってヤバいんじゃない!?特にアニスになんかに見られたら!!人の心情を知ってか知らずか、ジェイドは段々と顔を近寄らせてくる。体が逃げようとして後ろに倒れてしまい、最後にはテーブルに背中がつき今度こそ逃げ場はなくなってしまった。