20話 あなたに逢える喜びを
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「ふむ……変ですね。レプリカ情報採取のとき、被験者に悪影響が出ることも皆無ではありませんが…」
「まあ…悪影響って…」
ジェイドの"悪影響"と言う言葉に不安な表情を浮かべるナタリア。アッシュが『ルーク』だと分かったから、心配で仕方ないんだ。
「最悪の場合、死にます。完全同位体なら、別の事象が起きるという研究結果もありますが…まあまあ、心配しなくてもいいですよ」
被験者に異変が起きるのは十日以内で、アッシュの場合は七年経ってもぴんぴんしているから大丈夫だ。とジェイドが続ければナタリアは安堵の息を吐いて胸を撫で下ろす。
「レプリカのことってむずかしい……これって大佐が考えた技術なんですよね?」
「ええ、そうです。消したい過去のひとつですがね」
感心するアニスにジェイドは苦笑する。辛いのかな?まさか自分が考え出したものがこんな風に使われるなんて…こんな事に使われるために考え出したわけではないのに。ただ……大切な人を助けたいという心から生み出されものなのに。けど―――
「でも、そのおかげでルークにみんなに出会えましたよ…」
誰に聞こえるわけでもない、隣にいるアッシュにも聞こえないくらい小さく呟いた。ふと視線を感じて顔をそちらに向ければジェイドが私をジッと見ていた。ヤバっ…聞こえたのかな?しかもこっちに来ようとしてるし。来ないで欲しい。訊かれても困る!
「……ま」
「そろそろ引きあげるぞ」
ジェイドが何か言い掛けた瞬間アッシュがそう切り出した。助かった…ありがとう、アッシュ。また何か聞かれたらどう答えようか考えちゃうよ。まぁ、私が全てを話してしまえばいいことなんだけど…どうしても躊躇いを生じてしまう。一度は決意をしたのに話す機会を逃してしまうとタイミングを失ってしまいどうしてか話せないでいる。