20話 あなたに逢える喜びを
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「――いつか、意味が分かるよ」
私がそれをあなたに歌った意味を。と軽く微笑んで見せる。ただ少し離れているとはいえ、アッシュのそばには聞かれると一番怖い人がいるから気を付けないと……歌自体を聞かれているはずだし。
「あれっ、これチーグル?」
「まぁ!こんなところに閉じ込められて、餌はどうしているのかしら?」
奥の方からアニスとナタリアの声がし、私とアッシュ、ジェイドはそちらに顔を向ける。その奥にある檻の中に二匹のチーグルがいた。
「生きているんだから、誰かがここで飼っているんだろう」
私たちもアニス達の側に行き、檻の中のチーグルを見る。
「多分こいつらはレプリカと被験者だ」
「そのようですねぇ、星のような痣が同じ場所にありますから」
この仔は…レプリカの方は次に来たときにはもういない。今の時点では助けてあげる手段がない。分かっていて何も出来ないのが心苦しい。
「この仔たちも、ミュウみたいに火を吐いたりするのかな?」
と檻を叩くアニス。いくら確認したいからって檻を叩くのは止めようよアニス。チーグルに火を噴かれたアニスは、うわっ!と声を上げて後ろに仰け反る。ナタリアも確認したかったのか、この仔も同じかしらと同様に檻を叩く。
「あら、こちらは元気がありませんわね」
「レプリカは能力が劣化することが多いんですよ。こちらがレプリカなのでしょう」
さっきのチーグルより弱々しい火を見てナタリアが首を傾げる。ジェイドの私は顔を背けた。劣化…なんて聞きたくない。ジェイドは今、ルークがアッシュと繋がっているのを知らないとはいえ、そんな言葉…ルークを偽物とも取れる言葉なんて聞きたくない。
「でも大佐?ここに認識票がついてるけど、このひ弱な仔が被験者みたいですよ」
と今度はアニスが首を傾げる。