20話 あなたに逢える喜びを
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「見ろ!ヴァンたちが研究中の最大レプリカ作成範囲だ!約三千万平方キロメートル……このオールドラントの地表の十分の一はある!」
吐き捨てるかのように言うアッシュ。
「そんなに大きなもの、レプリカを作っても置き場がありませんわ!」
それに対してナタリアも無理だと声を上げる。それだけの広さを確保するなんて現在の状況では無理。それをなす為の方法を知る私は誰にも気づかれないように奥歯を噛んだ。
「採取保存した作成情報の一覧もあります。これは…マルクト軍で廃棄したはずのデータだ」
モニターに映し出された数字の羅列を見て答える。こんな数字の羅列なんて…見てるだけで頭が痛くなりそう。
「ディストの馬鹿が持ち出したものか?」
「そうでしょうね。今は消滅したホドの住民の情報です。昔、私が採取させたものですから、間違いないでしょう」
ルーク…落ち込んでるなな?レプリカを考案したのがジェイドだと、ベルケンドで聞いているけど、こうレプリカの話となるとジェイドの顔がまともに見れない。私自身がレプリカってわけじゃないから、気にする必要はないんだけど。全てを『知っている』と言うだけでちょっと辛い。
「…おい」
小声で呼ばれ視線だけをアッシュに向ける。いつもは人の左側に立つのが癖だったんだけど、右目が見えなくなってからは右側に立つようにしている。まだみんなは私の目が見えなくなったことを気にしている。みんなもわたしに気を使ってあまり右側に立たないようにしてくれている。
「なに?」
アッシュ同様に小声で返事をする。顔は前のモニターに向けたままで。
「あの歌、は…」
ベルケンドを出た夜、タルタロスでアッシュとルークに向けて歌った『カルマ』のことかな?歌の全てを聞けばあれが二人のことだと、アッシュなら気付いたはずだ。私は、それを分かっていて歌ったのだから。私の変えたい、導きたい『未来』のために。