19話 彼に捧げる夜想曲
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「…ジェイ、ドさん」
「病み上がりなのですから、無理はしないで下さい」
前のめりに倒れそうになったのを、ウエストの辺りに腕を回して支えてくれていた。自分で立とうと足に力を入れるが、やはり入らない。また貧血を起こしたのだろう。さっきまで剣を振っていたんだし…何て事を言ったらまた怒られるかも。うん、これは言わないで置こう。
「…お前、なんでここに?」
眉根を寄せるアッシュ。私を助けようかとしてのか出していた手を下ろす。本当に何てタイミングがいいんだか…まるで見計らっていたかのような登場だね。
「…艦橋を見に来ていたんです。したら歌声が聞こえたので」
要は盗み聞きしてたんだね…アッシュも舌打ちしてるし。もしかしてさっきの話も聞かれてたのかな。ジェイドのことだから聞いていそうなんだけど、そういうところを見せないから分かりにくいんだよね。にしても、貧血で倒れるなんて。血を流しすぎて、何日も食べないでいて、目が覚めても食欲が戻んなくて…倒れても仕方ないかなぁ。
「部屋に戻りますよ」
抱き上げられそうになったから、大丈夫って言ったけど要求は却下された。何か最近そんなんばかりで申し訳ないような、恥ずかしいような。結局、そのまま抱き上げられてしまった。恥ずかしい――のと同時に何だか安心感も込み上げてくる。こんな感情いらないのに…もういらないのに、最近変だ。これが何なのか分かってるはずなんだけど認めたくなくて、でも消せなくて。嫌だな…何だか。
「…重いですよ?」
恥ずかしさからと心の中を誤魔化す様に変なことを言ってしまう。自分でも何を言ってるんだろうとは思うけど、私がこんなことを言うとジェイドもアッシュもものすごく眉を寄せる。自分でも分かってるよ、変なこと言ったのは。でからってそんな顔しなくたっていいじゃん。
「あなたはもう少し食べなさい。それ以上痩せたら大変ですよ」
痩せた?私、ティアより重いはずなんだけど。あーここに来てから元々少食なのにさらに輪をかけて食事の量が減ったしな。そんなことを考えているうちに艦内に戻っていた。は、早い。行動が早い。