19話 彼に捧げる夜想曲
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「…お前、大丈夫なのか?」
何のことか分からなくて、眉を顰めてしまう。アッシュは煮え切らない顔をして、小さく舌打ちをする。ちゃんと主語述語を使ってくれないと分かんないよ。
「体だ…ディストから聞いてるだろう?」
「そのことか」
何のことかと思えば、とりあえずは大丈夫だと答える。アッシュらが私の体を調べさせたんだから知ってて当たり前だよね。
「それと、導師からは何も訊いてないのか?」
「…っ!!なんで、アッシュが?」
導師からって…私の前世のことだよね。でも何でアッシュが知ってるの?イオンはこの事は導師しか知らない"隠蔽預言"だって言ってたのに。他の誰かに話したとか聞いてないし…どういうこと。私の前世が語られるってことは私が知ってる"アビス"とはもう違う。根本的には同じなんだけど、トリップしちゃったことで私が無関係じゃないとは思っていたけど…なんかはっきりしなくて気持ちが悪い。
「訊いてるなら…いい」
「よくないよ!何か知ってるの?…って今、その――」
アッシュの言葉に驚いて思わず大声を上げちゃったけど今、アッシュはルークと繋がってることを忘れてた。ちらりと視線だけ上のほうに向ける。一応、秘密にしてるんだけど…こんな簡単に知られちゃうのは。まぁ、ルークは私がルークがここにいることを知らないんだけどね。そっちの方が心配だけど、本当になんでアッシュが…
「ああ。レプリカだったら今、眠らせてる」
「…出来るの?それより、私が"知ってること"を知ってるの?」
アッシュは何か知ってる。私がこの先のことやルークらのことを知ってることを知ってるのは確かだと思う。だけど…どうしてアッシュが――
「レプリカをどうにかする事くらいは簡単だ。お前が…導師のこともこの先のことを知っていることも知っている」
「ど、して……アッシュが。私と話をしたのはユリアシティが初めてだよね?」
少し寒気がする。ぎゅうっと自分で自分を抱きしめる。聞くのは怖いけど聞かなければならない気がする…アッシュは私が知りたいことを知っている。もしかしたらイオン以上に何かを知っているのかもしれない。