19話 彼に捧げる夜想曲
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「迎えに行くのはご自由ですが、どうやってユリアシティへ戻るつもりですか?」
ジェイドが的を得たことを言うとガイは黙ってしまった。タルタロスを記憶粒子を使って打ち上げて帰ってきたんだからどうやって戻るのかは…まぁ、そこまでは考えてはいなかったとは思うけど。
「…ダアトの北西にアラミス勇水洞って場所がある。もしもレプリカがこの外殻大地に戻ってくるなら、そこを通るはずだ」
アッシュが教えてくれるとは思っていなかったからかガイは目を見開く。けど、苦笑しながら
「…悪いな、アッシュ」
と言った。アッシュはそう言うと思ったと、少し悲しそうに微笑んだ。本当はここに残って、一緒に来て欲しかったんだよね。でも…ガイは『ルーク』を選んだ。十年間ともに過ごしたルーク…アッシュが本当のファブレ公爵の息子とか関係ないんだ。わだかまりが無いわけじゃない。二人の距離が縮むのはまだちょっと先だね。
「ガイ!」
「んっ?なんだい、真咲」
そのまま走り去ろうとしたガイを呼び止める。一定の距離を空けるのを忘れずにガイの傍に駆け寄る。
「ルークに会ったら伝えて――私はルークを待ってるよ。だから、再会を楽しみにしてるって」
「ああ、必ず」
私の言葉に頷いて今度こそ走っていった。頼んだよ、ガイ。ルークは絶対に大丈夫だから。もう、過去の彼はいないから。きっと、びっくりするよね。ルークに再会したら。
「ルーク!止めないんですの?」
「その名で呼ぶな!…それは、もう俺の名前じゃねぇんだ…」
ナタリアが叫ぶとアッシュは怒鳴り返した後、悲しそうに呟いた。預言によってアクゼリュスに行ったのはレプリカルーク…この時点で、アッシュは『ルーク』ではないから…もう、その名は自分のものではないから。
「…ナタリア」
「なんですの?」
ナタリアの横の付く。伝えたかった。ナタリアが悪いわけじゃないのは分かっているけど…分かっているけど、辛いのはアッシュでもナタリアでもない。ううん、辛いだろうけど…全てを否定されたルークも辛いんだよ?