19話 彼に捧げる夜想曲
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「俺は降りるぜ」
その言葉にみんな立ち止まってガイを見る。その言葉の意味が分からないっていった感じにアニスとナタリアが目をぱちぱちさせている。
「…どうしてだ、ガイ」
当然一番驚いているのはアッシュ。少し泣きそうなにも見えなくもない表情でガイを見る。幼馴染みで親友でもあるガイが一緒に行かないと言うとは思わなかったんだろう。複雑だな…ガイがアッシュと過ごした七年間もルークと過ごした十年間も本物だから。どんなに離れていてもアッシュにとってガイは親友なんだ。
「ルークが心配なんだ。そろそろ迎えに行ってやらないと」
「呆れた!あんな馬鹿、ほっとけばいいのに!」
親友を迎えに行くというガイに何で?というアニス。みんな呆れてたもんね…ジェイドが私を連れて出て行った後、みんなルークに失望して見限った。その後、私が目を覚ましたときもまだ言ってたし。今思えば、ガイが何度か私に話しかけては、何でもないって言葉を濁しては心痛な面持ちをしてたっけ。その時は気にしなかったけど、ガイはルークを信じ続ける私に何か言いたかったのかな?考えすぎかな?
「馬鹿だから、俺がいないと心配なんだよ。それに、あいつなら…立ち直れると俺は信じてる」
そうだね…うん、ルークは立ち直る。前に進むことを始めるんだよ。生まれ変わったルークは誰より優しくて、誰よりも悩んで成長していくんだ。それを私は知っている。彼の言葉に私は人知れず笑みを零す。
「ガイ!あなたはルークの従者で親友ではありませんか!本物のルークはここにいますのよ!?」
「ああ。確かに本物のルーク・フォン・ファブレはこいつだろうさ。だけど…俺の親友は、あの『馬鹿』のほうなんだよ」
ナタリアが言うこと間違いではない。でもガイにとっての親友はあっちのルークだと言う。この言葉を聴いている『ルーク』はどんな顔をしてるんだろう…私にはこの言葉はユリアシティで眠る『ルーク』を否定しているように聞こえてならない。もちろん、ナタリアはそんなつもりはないんだけど。