19話 彼に捧げる夜想曲
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「いたーい!」
「アニスも懲りないねぇ…そんなに遊んで欲しいの?」
おでこを擦るアニスに微笑んでやれば、い、いい!とたった走って行った。変なところで勘がいいんだから…あんなこと言えるわけないじゃない。
「……っ」
はぁーと溜息を付くと大きな声を出しすぎたり興奮して血圧が上がりすぎたせいか、頭がふらつく。片手を頭に当ててその場に立ち止る。あー世界が回ってて気持ち悪い。
「大丈夫ですか」
左肩に手を置き、顔を覗き込んだのはジェイドだった。誰にせいで人が血圧が上がってるのか分かってるのか、そんなことされたらまた血圧があがるじゃないか…まぁ、向こうからすれば知ったこっちゃないんだろうけど。
「…だい……少し、貧血を起こしただけです」
いつもの通り大丈夫って言おうと思ったけど言ったところで信じてもらえないし、下手するとまた倒れる可能性も大だ。なら状態は話しておいたほうがいい。それにあの無言の圧力のほうが怖いし。
「歩けますか?」
「もう大丈夫ですよ。大声出しすぎたせいですし。さっ、行きましょう」
軽く微笑んでみんなの後を追う。ジェイドも…まぁ、いいでしょうと小さな溜息を吐きながら私の隣を歩く。こうして隣を歩いてくれることに安心を覚えつつ、彼の優しさを垣間見た気がする。私なんかを心配してくれて…くすぐったさとまだ気づかぬ何かが心に膨らんだ。
「お前さんはルーク!?いや…アッシュ…か?」
ベルケンドの第一音機関研究所に来た私たちはこの施設内のレプリカ研究施設にいるスピノザに会いに来た。スピノザはアッシュを見るなり顔色を変え、後退りする。