19話 彼に捧げる夜想曲
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新たな旅の始まり
ただただ、前を進むのみ
私も『ここ』で存在し続けたい
外殻に戻って数日の後、私たちはベルケンドにやってきた。港にタルタロスを停船させ歩いてベルケンドに向かう最中、傷はほぼ完治したものの流しすぎた血はまだ戻らずあまり動きすぎると貧血を起こす事と片目での生活に慣れていないこともあり私は戦闘員から外された。戦闘の間はイオンとともに隠れている。もどかしいな。外殻に戻ったところ、何も出来ないことにイライラする。みんなに気を遣わせているだけ。本当はティアとともにユリアシティに残っているのが一番なんだけど、どうしてもこの先で思うこともあった。この後、ダアトに行く際も気をつけなきゃいけないし。
「真咲、どうかしましたか?」
考え事をしながら最後尾を歩いていればいつの間にかイオンが隣に立っていた。他のみんなも心配そうに私に振り返っている。
「傷が痛むのですか?」
「ううん、もう傷は大丈夫だよ」
回復しますか?とナタリアも私の側に来る。大丈夫、ごめん。ぼーっとしてたと謝れば、本当に?とアニスが真咲は直ぐ無理するんだからと困ったように言う。うーん、それに関しては何の否定出来ないや。ジェイドにも散々言われてるし……や、ヤバい。この間のこと思い出しちゃった。だってまさか…ジェイドに抱きしめられるなんて思わなかったし。
「本当に大丈夫かい?顔が赤いぞ。熱があるんじゃ…」
「へっ?だだだだ大丈夫だよ!」
熱なんかない!と両手をぶんぶんと振る。こんなにムキになって否定しなくてもいいのにここまで否定するものだからみんなは「そうか?」と返してくれたが、アニスは私に近寄ってきて、真咲♪とニタニタと笑みを浮かべたので何か言う前にデコピンした。