18話 世界の何処に私は居る?
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「イオン様…そのことは、本当にイオン様しか知らないのですか?」
話を聞いていて、急にヴァンのことが浮かんだ。何か知っている…そんな感じがしてならない。
「知らない…はずです。何故ですか?」
「いえ…ヴァンが、知っている素振りを見せていたので」
共に来いとか、みんなといても長くは生きながらえないとか…何か知っているはず。いや、カイツール軍港で私の力を自分のために使えと言ってきた…ってことはカイツールで初めて顔を合わせからヴァンは分かっていたんだ。でなきゃ、リグレットまであんなこと言ってこない。
「…ヴァン、ですか。すみません、わかりませんね」
イオンは少し考えて、首を横に振った。その素振りを見せない――ううん、ヴァンならあいつならそんなこと容易い事だろう。これだけの事を誰にも悟られずに隠し通したのだから。
「私の気のせいだと思います。それより、この事ですが――もっとはっきりした事が分かるまでみんなには黙ってて下さい」
「ですが…」
「隠し事はしたくないです…でも、怖いんです」
イオンに握られた手を彼の手の中で握る。間違いないとは思うけど、私自身のことがまだはっきりとしてない以上、考えても仕方ない。だから「私からちゃんと話しますから」と、だから今はまだ誰にも言わないで欲しいとお願いする。自分がみんなと違うことなん分かっている、分かっているからこれ以上知られるのが怖い。何でこんなことになったのか…分からないままは、怖いよ。この旅を続けていれば、イオンが話してくれたこと以上のことを知ることになるだろう。根拠はないが何故か確信が持てる。目頭に熱いものを感じる。