18話 世界の何処に私は居る?
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「特別な力を持つあなたの前世を恐れたユリアとローレライは異世界に転移しました。あなたはその者の生まれ変わりなのです」
「そんな…」
私の手を握る力を込めるイオン。そこで私は自分の手が震えていたことに気づいた。怖い…怖い…私自身が知りたかったことなのに、怖い。まさか自分がゲームの世界だと思っていたこの世界に関係しているなんて…ううん、私の知っている"アビス"じゃないんだ。そうだよ"私"が存在していることが何よりに証なはず――でも、今までの経緯は私の知っている"アビス"だ。段々、何がなんだか分からなくなってきた……
「そのためにあなたは第七音素を受け入れられず、他の音素には敏感に反応してしまうのです」
私の体の正体…それはユリアとローレライのせい?私がいつ乖離してもおかしくない体になったのも、回復の譜術が効かないのも、全部。全部。途方もない話だ。二千年前…前世…私は一体?ディストが私の血で調べたあの検査結果もそれが原因だったとことか。この世界に来てから怪我してティアやナタリアに治癒をしてもらってもなかなか治らないこと、敵の譜術攻撃には避けても余波だけでダメージを食うことも。何も、かも……そしてイオンはさらに言葉を続けた。
「対立していた理由などは分かりませんが、これは代々導師のみに伝えられる隠蔽預言―シークレットスコア―なのです」
隠蔽預言…そんなものが存在していたなんて…ゲームには無かったことが次々と現れてくる。頭を抱えたくなってきた。だけど、この話を聞かなくちゃならない。どれだけショックなことでも…私は私のことを知りたい。今までの自分を否定はしないけど知りたいの。もう嫌なの、自分が何者なんだと考えるのがもう嫌なの。