18話 世界の何処に私は居る?
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「なに?」
「…アクゼリュスに住民だが、ケセドニア付近の砂漠で発見されたそうだ」
「えっ?」
耳を疑った。今、何て…何て言ったの?座席から立ち上がって、アッシュの側に行く。私はアッシュの前に立ち、疑心暗鬼な面持ちで彼を見上げた。聞き間違いじゃないよね?
「住民全員ではないがおよそ半数以上が、砂漠にいきなり現れたそうだ」
「それって…」
「もしかして?」
アッシュの言葉にジェイド、イオン、アニスも目を見開いて私を見る。何のことかよく分からないガイとナタリアは三人に釣られるように視線を向けた。
「…成功、したの?…私の術、発動したの?」
信じられなかった。ヴァンに邪魔をされたから、確認も出来なかったからずっと気になっていたけど…確かに崩落した場所に住民の死体は見当たらなかったとは聞いていたけど。それでも―――
「私たちがセフィロトに向かう途中で見た光はやはり、あなたの魔術でしたか」
操舵席にいたジェイドが私の隣に来る。私を見下ろす彼に顔を向ける。セフィロトの向かう途中、街のほうに飛んでいく光を見たと。前にチーグルの森で見たものと同じだったからもしやと思ったらしい。
「は…い。せめて、アクゼリュスの人達だけでも、って思って。詠唱途中でヴァンに斬られたから…失敗、したって、おも、って」
最後のほうは涙が出て、声がしゃくりあげてしまう。止まらない、涙が止まらない…全ての人は助けられなかったこど、嬉しかった。両手で顔を覆う。
「…よかったですね」
ジェイドはそう呟いて、私の頭を撫でる。しばらく私は泣き続け、ジェイドはそのまま頭をゆっくりと撫で続けた。少しでもいい…この悲しい物語に変化があるなら、罪のない人たちが死なずに済むのなら、十分だ。