18話 世界の何処に私は居る?
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「はい、何も見えません。真っ暗です」
視線をジェイドから前に戻して答える。崩落後、目を覚ましてからこの右目は何も映さない。目の痛みは消えたものの、ティアとナタリアが治癒を施しても何の効果がなかった。左目だけが世界を映して右目は…世界どころか、黒以外の色は全く映さない。
「たぶんですけど…もう、この右目は見えることはないと思います」
何か確信に近いものを感じた。この目は見えないままだ、と。これは罪なんだ。私が犯した大罪の証なんだ。
「…真咲」
「片目の生活にも早く慣らさないといけませんね」
今出来る満面の笑みを浮かべて振り返ると、ずっと前を向いたままだったジェイドがこちらを見ていた。目が合うと、ジェイドは私の右頬に自身の左手を置き、親指でそっと撫でた。
「無理をしなくてもいいのですよ?」
突然の事に声も出せないでいると、眉根を寄せたジェイドがそう言った。その表情は何故か辛そうに見えた。―――何で、ジェイドがそんな顔をするの?そんなジェイドに何も言えないでいた。あなたのせいじゃないのに…なんで、なんで?やめて、見たくない。見せないで…私のことなんかで、あなたが辛そうにしないで。
「…無理なんて、してないです」
声が震えそうになる。私の事に対してそんな顔をしたとしても、何のどんな事に対してのことなのか分からない。ジェイドと同じように眉を寄せ顔を顰めてしまう。