17話 堕ちて、失い…真実語る
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「…ここは?」
見たことのある天井。タルタロスの船室だ。私は…どうしたんだっけ?…そうだ、ジェイドにここに連れて来られて、それで……私の体のこと、ディストがくれた資料見せて…その後は……
「見える…?えっ、あれ?」
ゆっくりと起き上がる。確かに見えなかったはずの目が見えている…でも掌を見つめると、何かおかしい。見えなかったはずの目が見えているけど…あっ、左目しか見えないんだ。右目は痛みはほとんど無くなったけど見えない。
「みんなは…」
ベッドの端に座り、自身を確認する。腹部に手を置いても痛みは無い。右目の痛みは前ほど邪魔にならないけど、左しか見えないのには違和感がある。ヴァンに斬られたときに服が駄目になったのだろう、上は男性物の黒のインナーを着せられていた。ニーハイソックスとブーツが見当たらなくて、素足に床に足を下ろす。そこに誰かが部屋に入ってきた。
「…真咲っ!?気がついたの!!」
部屋に入ってきたのはティアだった。彼女は私のニーハイソックスとブーツを手にして、こちらに駆け寄ってくる。私もベッドから立ち上がってティアの側に歩き寄る。
「立って大丈夫なの?目は…」
「…うん、左目だけ見えるよ」
事実を隠さず、そう微笑んで見せるとティアの顔が歪んだ。体も正直、血を流しすぎたせいか貧血で頭が少しぼーっとして足に力が入りきらずこれでも頑張って堪えている。言うとティアが心配するから言わないけど。
「えっ!?…右目、は?」
手に持っていた物を床に落とす。口に手を当てて、今にも泣きそうな表情をしていた。私が微笑むとティアの目の端に涙が浮かんでるのが見えた。