17話 堕ちて、失い…真実語る
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「私ね、生きてるのが…不思議なんだって。私…何なの?誰なの?」
涙が流れ出るのが分かる。でも、止まらない。私は何者?私は誰?なんで、みんなと違うの?そんな疑問が頭の中をちらつく。
「あなたが回復譜術が効かない理由ですか…これを隠していたのですね」
「…怖かった。自分が、みんなと…違う、って認める、のが」
両手で顔を覆う。腕を上げたとき腹部に痛みを感じたけどそんなのはどうでもいい…痛いのは生きている証なのに、どうでもよかった。
「…何で、私だけ?…どうして私は、体に、血中音素がな、くて…一人だけ…こんな術が、使えるの?……私は、いつまで、生きて、られるの?」
流れ出る涙をごしごしと両腕で擦る。涙で言葉が痞えて上手くしゃべれない。ジェイドがその手を私の顔から退けて、自身の手を私の両目に覆う。見えないけど、目に重みと温かさを感じた。
「少し眠りなさい。眠ったほうが、体力も傷も回復します」
静かな、優しい声で言う。もう片方の手で頭を撫でてくれる。心地いい…痛みが和らいでいく感じがする…意識が、遠のいていく。
ジェイドがしばらく頭を撫で続けていると真咲の呼吸が落ち着いていく。どうやら眠ったようだ。泣いたせいか、それとも緊張が解けたせいか。
「何故、あなたは…」
眠る真咲の頬に触れる。死に掛けた彼女の体の体温は低い…もう大丈夫とは言えなかった。真咲の体のことを知ってしまったから…一概に大丈夫とは言えなかった。傷は塞がっても彼女はいつ乖離してもおかしくはない体。