17話 堕ちて、失い…真実語る
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…そう、ですか」
術を発動させたときにアクゼリュスに住む人らを対象にしたのにオラクル兵までいないなんて――術が発動した?成功したの?だからといって安堵の息は付けない。そして―――もう、隠しておくわけにはいかない。全部ではないが、せめて…私自身のことだけでも。罪悪感は募る一方なのに、この先のことを全て知っていると話してしまえば楽になれるのに…頭の中に"預言"と言う言葉がちらついてならない。話して全てを知ることと預言はどう違うのか…考えるまでもないのに考えてしまう。
「私の荷物は?」
「ここにあります」
小さく息を吐く。よかった、私の荷物もちゃんとあるんだ。ジェイドが持っているのはなんだか不思議な感じもしたけど。
「バッグの…脇の、ポケットの中、を…」
先ほどから止まない右目の痛みに耐えながら言う。思考回路ははっきりとしているのに頭に響く痛みのせいで思うように言葉を紡げない。私の言葉にジェイドは何も言わなかったが、近くでバッグのファスナーの開く音が聞こえる。
「ポケットの中に、ある…封筒の、中を、見て下さい」
あの日からずっと私が隠し続けたもの、誰にも知られたくなったもの。でもそれもお終い…きっとこの傷の治りの悪さにも疑問を持ているはずだし。かさっと紙を開く音がする。これで、知られるんだ――ディストが教えてくれた私の体の秘密。
「…これは!?」
紙が開かれて、しばしの沈黙が流れた後、ジェイドが息を呑んだ。小声で、…まさかと呟く。私の体には音素がほとんどなく第七音素は受け入れない…そんな人間が存在するなんて不思議だよね。