17話 堕ちて、失い…真実語る
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「…大佐?」
ティアの声とともにジェイドが再び私を抱き上げる。先程より優しいけど力強く肩を抱かれる。逃げ出そうと体を動かしたくてもその力強さのせいかびくりともしない。
「船室に真咲を連れて行きます…ここにいると、馬鹿な発言に苛々させられる」
「っやだ、待って…私、ルークに…話を、おね、が、い…!!」
「黙りなさい」
私が懇願しても一言で一蹴して、踵を返し歩き出すジェイド。何度もジェイドの胸板を叩いて、戻ってと話をさせてと言っても、彼は黙りなさいとものを言わせぬ口調で言う。その押し問答は船室に行くまで続いた。
「…ぐっ、うぅ」
船室に着いてそのままベッドに寝かせられた。先ほどのルークに押された際に腹部の傷が開いたようでズキズキと痛み、それに加えて右目も痛んだ。どちらかと言えば、腹部の痛みより直接頭にまで響く右目の痛みのほうが邪魔だった。
「今、ティアかナタリアを呼んできます」
「…待って」
部屋から出て行こうとするジェイドを呼び止める。見えないけど天井を仰いだままただ一言発すればコツコツと数歩歩き始めていたジェイドは足を止めた。
「なんですか?」
「…アクゼリュスの人達は?生き残った人とかは?」
魔界に崩落してから目が見えない。だから、周りに死体があるのかとか、生き残っている人がいるのかとか分からない。誰も何も言わなかったから、私の術がちゃんと発動したのか心配だった…途中、ヴァンに邪魔されたから。
「私達が落ちた付近にアクゼリュスの人と思われる死体はありませんでした。生き残っている人も見当たりません」
この船を奪ったオラクル兵も一人としていなければ死体すらなかったと。