17話 堕ちて、失い…真実語る
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「なんとか動きそうです…と言っても、ここはどこなのだか…」
「魔界です」
甲板に出たのか風を感じた。泥に匂いが混じった風。外に出て少し歩いた所で下ろされ、壁に寄りかからせるように座らされた。たぶん、艦橋の前あたりだろう。ジェイドは一度、私の傍から離れ、しばらくしてこちらへと戻ってきた。ジェイドの問いに答えたのはティアだった。ここは彼女の生まれ育ったところ。誰もここが何処だか分からない中、ティアは冷静な声で答えると皆の、周りの空気が変わった気がした。なぜ彼女が知っているのかと。
「魔界…?」
「そうです。ここから西にユリアシティという街があります。そこに行きましょう」
ティアがそう言うとジェイドは頷いて、あとで説明をしてくださいと言った。画面上でしか見たことのない魔界がどんな所なのか今の私には見ることが叶わないのは少々残念だ。
「行けども行けども、何もない…なぁ、ひょっとして、ここは地下か?」
「…ある意味そうね」
しばらく泥の海を進んでいるとガイが疑問を漏らし、それにティアが答える。私はナタリアに再度、回復を施してもらっているが、光を失った両目は見えないまま。腹部の傷はティアと二人で回復をしてくれおかげか、傷口が塞がる程度まで回復している。相変わらず傷の治りは遅い。
「あなたたちの住む場所はここでは『外殻大地』と呼ばれているわ」
そしてセフィロトツリーという柱に支えられている空中大地で、アクゼリュスにはその柱の一本があったという。ティアの説明にナタリアが意味が分からないと言う。その声は困惑したものだった。きっと、イオンと私以外がそう思っているに違いない。