17話 堕ちて、失い…真実語る
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「このまま、船室に行きますよ」
振動を与えないようにゆっくりと歩いてくれる。傷口に痛みが響かないようにだろう。
「わ、たしも…皆といる…」
「駄目です」
目が見えていないからどんな顔をしているか分からないけど、きっと怒っているんだ…その証拠に声が低いもん。皆といると言う私の言葉を即答で却下する。それでも私は引き下がるわけにはいかない。ちゃんとルークにも皆にも話さないといけない…きっと私のアクゼリュスでの行動は皆も不審に思っているに違いないし。
「…なら、這ってでも……みんなのとこ…いく…」
途切れ途切れに言葉を放つ。右目の痛みがだいぶ引いてきたとはいえその余韻は残っていて、それと腹部の傷が痛む…前に腕を斬られたときの比ではない。
「その体では無理です。今は休んでいなさい」
「絶対に、嫌です」
肩を抱く力を込めるジェイド。私が本当に一人で、這ってでも行くと思ったのか…ジェイドがどう思おうが私はそのつもりなんだけど。
「あなたは目が見えていないのですよ?」
その状態でこの広いタルタロスの中を這い回るのは無謀だと。そんなのは分かっている。それでも私は一人でのんきに休んでなど居られない。見えない目を睨むようにジェイドのほうに向ける。
「…わかりました」
しばしの沈黙の後、大きく溜息をついてジェイドの方が折れた。ここが艦内のどの辺りかは分からないけど、甲板に行くのは分かっている。私一人では辿り着く自信はなかったけど、ジェイドは私は本気だと分かってくれたのかそのまま、足を進めた。