17話 堕ちて、失い…真実語る
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「――っ!!うっ…ぐぁ。い、やっ――あぁぁぁーっ!!」
今までにない痛みに声をあげる。まるで目をえぐられた様な痛みが走り、その痛みは目から頭の奥にまで響いた。掴まれた手を放して、両手で右目を押さえ、体を丸く縮める。
「真咲?」
誰かが私の名を呼ぶ。誰かが呼んだかは分からない。私は右目の痛みで返事どころか反応も出来ない。
「い、たい…うぅっ、ぐっ」
「…う、うぅ」
私の呻き声に誰かの声が重なる。
「ご主人様、よかったですの!」
ルークが気がついたらしく、ミュウが歓喜の声を上げる。ルークが今、目が覚めたということはまだ魔界に落ちてすぐなんだ。ルーク…私…謝らなくちゃ!片肘に力を入れ、起き上がろうと頭を上げる。目の痛みは全く消えないけど、それに構って入られなかった。どうしてもルークに謝らなきゃいけないから…私が彼をもっと早く止めていれば、こんなことにはならなかったんだ。
「あっ!真咲、起き上がっちゃだめだよぅ」
「そうですわ!まだ傷が塞がってはいないですのよ!?」
姿は見えないが、私が上半身を起こそうとするとアニスかナタリアのどちらかに肩を押され制止される。そのまま力の入らなくなった体は再び冷たい地面へと倒れた。
「これからどうする?」
ガイが誰にでもなく問う。崩落に巻き込まれてもティアのおかげで助かったのはいいが、この泥の海の中でこの先の何処に行けばいいのかと。少し遠くからコツコツとこちらに向かって足音がした。目が見えない分、耳のほうは聞こえがよくなった気がする。
「タルタロスに行きましょう。緊急用の浮標が作動しているようです。この泥の上でも持ちこたえている」
そう聞こえると同時に私の背中と膝裏に人の温もりと体が浮いた感じがした。誰かが…いやジェイドが私を抱き上げた。微かに覚えのある香水の香りがしたし、ガイでは私には触れない。今のルークは論外だ。