17話 堕ちて、失い…真実語る
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「…んっ」
意識が浮上する。私…生きてるの?"彼女"の言う通り私は生きてるの?
「あっ!真咲、気がついた!?」
傍で聞こえるのはアニスの声…でも、どこにいるの?真っ暗で何も見えない。ここは…魔界なの?泥の匂いはする…ならここはやっぱり魔界で、物語の通り崩落したんだ。私は何も出来なかったんだ――さっきの夢、未来はまだ決まっていない…変えられなかったのなら決まってるんじゃ。
「ア、ニス?」
「そうだよ!もう起きないかと思ったんだから!」
アニスの名を呼ぶのに出した声は意外と低くて思ったようには出なかった。まだ少し喉の辺りに血の塊でも残っているのか、何か突っ掛かった感じがする。名を呼んで返ってきたのは泣きそうなアニスの声…ああ、泣かせたのは私だ。ごめんね、アニス。また心配掛けちゃったんだね。そう言いたいのに声が出ない。
「真咲…大丈夫ですか?」
アニスと反対側から、今度はイオンの声がした。さっきから違和感を感じる…私の意識はあるのに私の見える世界は真っ暗だ。他の人の気配もする、みんなも傍にいるのかな?
「イオン、様?どこに、いるんですか?」
見えないイオンやアニスを探るように右手を上げる。私の両隣にいるのは気配で分かる…でも意識があるのに、声は聞こえるのに、人の気配はするのに…ただ見えない。
「――っ!!真咲、まさか…見えてないの!?」
アニスの驚愕の声に周りが息を飲んだのを感じた。私の目が見えていないことにナタリアも傍にいたのか小さな悲鳴が聞こえた。誰が何処に居るのか見えなくて弄っていた私の手を誰かが掴んだと同時に右目に激痛が走った。