16話 叶わぬ願い
夢小説設定
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「上手くいって…」
そう願いながら私は倒れた。もう踏ん張る力はない…腹部から血が流れ出て、まるで水溜りのように広がったその上に倒れる。あぁ、やっぱりあの夢はこのことだったんだ。分かっていた気がする…あの夢は、あれはヴァンとルークで場所はここだったんだ。この世界に来たあの日から見続けた夢は今日この日のことだったんだ。
あれがこのアクゼリュスの崩落のことだと気付いていれば…物語を変えることが出来たかもしれない。ううん、やっぱり何も話さない私の責任だ。無知は罪と言うけど、知っていて言わないほうが大罪だ。感覚を失いかけていると足音が聞こえ、顔を上げればヴァンが私のほうへ歩み寄ってくる。手には私の血がついた剣を手にしたまま…ここまでか。死を覚悟した。もう、だめだ。
「…ようやく役に立ってくれたな、レプリカ。そして、真咲…お前に関しては残念だ。私と共に来ればよかったものを。先ほどは何をしたがわからないが、無駄なことだ」
一度ルークに振り返り、今度は私を見下ろす。その目はもう笑ってはいない…ただ冷たく穢れたものを見るような目だった。体中の血が失せていくのを感じる、体は動かない。心なしか寒気も感じる…それは大量に血を失っているからだろうけど。そんな中、右目が頭が全身が痛い。失いかけている意識は痛みのせいかお陰か現実の世界に引き戻される。
「――む、だじゃ、ない。アクゼ、リュ、スの人達は…今の、じゅ、つでにが、し、たよ」
痛みで途切れ途切れになってしまう。口からはまだ血が滴り零れる。私の言葉にヴァンは一瞬顔色を変えたが、すぐに笑みを浮かべ、私に向かって剣を振り上げた。