16話 叶わぬ願い
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「ちょっと見てきます…真咲、イオン様をお願いします」
そう言うと、ジェイドは坑道を走って戻って行く。去って行くジェイドを見送り、ここからのことを考える。ここからが正念場だから…今のルークが一人で行動するのを止めることは出来ないかもしれない。でも、せめてイオンだけでもここに留めておくことが出来れば"崩落"は回避できるはず。
「すみません、ちょっと手伝ってください!」
口元に手を当てて考えに耽っていれば、近くにいた抗夫に声を掛けられた。手招きされたので、イオンにアニスの傍に居るように言って、その場を離れる。症状の酷い人を運ぶために担架に乗せるのを手伝って欲しいと頼まれ手を貸す。何人かそれを繰り返してアニスたちの元に戻るとルークとイオンの姿が見えなかった。
「アニスっ!ルークとイオン様は?」
辺りを見回したけどルークとイオンの姿はない。慌てて抗夫らを手当てをするアニスの肩を掴む。私の表情がよほど切羽詰ったものだったのかアニスは見開いた目をぱちぱちさせる。
「ほへっ?イオン様ならちょっとここを離れるって言ってたよ?」
アニスの言葉に驚愕する。ここを離れるってことはルークと一緒にセフィロトに向かってる!?イオン様…アニスの傍に居てって言ったのに。
――最悪の展開だ!!ギリっと奥歯を噛み締める。ルークとイオンが先に行ってしまった以上どうすることもできない。いや、ここで諦めるわけには行かない。まだ入り口付近にいるかもしれない。
「真咲?どうしたの?」
アニスだけではなくナタリアとガイもこちらを伺う。二人もアニス同様に私の様子がおかしいと察したのか、どうした?と傍に寄ってきた。