16話 叶わぬ願い
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「第七譜石……?まさか、発見されたのですか?」
「はい。ただ真偽の程は掘り出してみないとなんとも……」
イオンの問いにオラクル兵―ハイマンが頷く。それを訊いたイオンはティアのほうに振り向く。
「ティア。あなたは第七譜石を確認してください。僕はルークたちと先遣隊を追います」
「え―で、でも…」
確かにティアがここに来た目的はアクゼリュスの救援ももちろんだけど、モースの命に従って第七譜石の確認も含まれている。けど――実際はヴァンの差し金。分かってはいるけど、下手に言えば怪しまれる。それにティアのほうはもしもの場合はアッシュがいる…だから大丈夫なはず。
「お願いします」
「…分かりました。この村の皆さんをお願いします」
イオンに"お願いします"と言われティアは渋々、了承してこの場を後にした。
「イオン様」
私は隣を歩くイオンに、彼にしか聞こえないくらいの声で話しかける。この先のことを考えて今しかイオンに伝えられない…けして一人にならないでと。側を離れるときは誰かと一緒にとお願いしなければ、アクゼリュスは崩落してしまう。一番いいのは今からでもみんなに全てを話してしまうこと――でも、もし信用してもらえなくて、ジェイドにここから強制退去させられたら全ては水の泡だ。だから…今の私にはこれしか思い浮かばない。
「なんですか?」
名を呼ぶ私のほうに顔を向け、同じように小声で返事をするイオン。
「…お願いがあります。この先、絶対に皆の傍を離れないで下さい。離れるときは必ずアニスと一緒に」
前を向いたまま言う。きっと、何でこんなこと言うんだろうとイオンは思っているかもしれない。