15話 浮かび始めた不協和音
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「どういう意味ですか……?」
「この世界は預言で支配されている。何をするにも預言を詠み、それに従って生きるなど、おかしいと思わないか?」
ちらりと私のほうを見るリグレット。やっぱり私のことを何か知っているの?カイツールの軍港でヴァンがあんなことを言うくらいだから知っているのだろう。
「預言は人を支配するためにあるのではなく、人が正しい道を進むための道具にしかすぎません」
イオンが両手を広げて必死に弁明してもリグレットはイオンがそう思っていても世界の人々はそうではない。預言を頼り、支配されていると、返す。みんなは預言は頼り生まれたときから預言を聞いて生きていると答える。
「…結局のところ預言に頼るのは楽な生き方なんですよ。もっとも、ユリアの預言以外は曖昧で、読み解くのが大変ですがね」
今まで黙っていたジェイドは眼鏡を直しながらそう言う。預言はおかしい…それに関しては私は否定はしない。預言を詠まれることのない世界で生まれ育ったからかもしれないけど…でも、世界を壊すようなやり方は気に入らない。
「そういうことだ。この世界は狂っている。誰かが変えなくてはならないのだ。ティア…私たちと共に来なさい」
「私はまだ兄を疑っています。あなたは兄の忠実な片腕。兄の疑いが晴れるまでは、あなたのもとには戻れません」
手を差し伸べるかのように言うリグレットに拒絶の意を見せるティア。一瞬悲しそうな顔をするリグレット…ティアを本当の妹のように思っているから、ここ先に行かせたくないんだ。