15話 浮かび始めた不協和音
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「からかわないで下さい!もう少し"部下"は大切に扱ってください!」
「失礼ですねぇ~。大切にしているじゃないですか」
そうじゃなかったら"逆ギレ"した部下をあんな簡単に許しませんよ?と言われてはぐうの音もでない。墓穴を掘って行き場の無い怒りを発散するかのように、だーっ!なんて意味不明の声をあげればアニスらが、どうしたの?と恐る恐る声を掛ける。私は、もーイヤ!!と頭を掻き毟り、ジェイドは、気にしなくていいですよと笑いながら答える。…はぁ、とアニスは目を丸くしてガイ、ティア、ナタリアは互いに顔をあわせて首を傾げる。
「…真咲」
一人で、ジェイドのバカ!と誰にも聞こえないほど小さいな声で繰り返し呟いていると後ろから声を掛けられる。振り返ればそっぽを向いて立っているルークがだった。
「どうしたの?」
「いや、その…これ。あ、ありがとな」
そっぽを向いたまま、さっき私が渡した水筒のコップを差し出す。水はちゃんと飲み干したのか中身は無い。ルークのことだから捨てずに飲んでくれたはず。どういたしまして、とルークからコップを受け取る。十数分の休憩を済ませ、峠の先を進んでいく。上りから下りへと変わり、出口に差し掛かった。
「止まれ!!」
ぱんっ!!発砲音とともに降りてきた女性の声。上を見れば、岩場に譜銃を構えたリグレットだった。
「ティア。何故そんな奴らといつまでも行動している?」
眼下のティアを見下ろして言うリグレット。
「モース様のご命令です…教官こそ、どうしてイオン様を攫ってセフィロトを回っているんですか!」
「人間の意志と自由を勝ち取るためだ」
信じているからこそ、リグレットの行動が理解できないティア。だがリグレットはティアの期待していた答えを返さず譜銃を突きつけたまま眼下の私たちを睨みつけている。