15話 浮かび始めた不協和音
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「…ごめんなさい」
ジェイドの肩に目を閉じて頭を乗せる。伝わってくる体温が心地いい。こんな姿、アニスに見られたら何て言われるか分かんないけど、でも何かこうしていると心は落ち着く。
「ガイから剣術の稽古のことは訊きました。止めませんが、無理だけはしないでください」
あなたは怪我ばかりするのですから、と念を押すように言うジェイド。握っていた手を私の頭に持っていき、いつものように撫でる。私のことを心配してくれる嬉しさから…はい、と小さく返事をした。
「ガイだけではなく私も見ますから稽古をしたいときは言いなさい。私はあなたの"上司"なのですから」
ジェイドの手が頭から離れたので顔を上げれば、彼は優しく微笑んでいた。改めてこの人は綺麗な人だと思う…てか顔はかっこいいんだよね。最近は何かそれだけじゃない気もしてきたけど…
「おや、顔が赤いですよ?」
「ほへっ?」
くいっといつかの夜のように顎に手を添えられ持ち上げられる。本人は分かってやっているのか?分かってやっていたら性質が悪い…でもジェイドならやりかねない。当然のように顔は一気に熱を帯びる。それを見たジェイドはにこっと笑う…は、嵌められた。私の反応を楽しんでる――私の心の中の不安を知ってるの?だから少しでも元気付けようとしてくれてるの?真意が読めないから本当のところはどうなのか分からない…でも、勘違いでもいい。それだけで心は軽くなる。