14話 揺らぐ心
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「真咲のことだ…元の世界に帰らない。そのことについてあんたは何か知ってるんだろ?」
腕を組んだまま壁に寄りかかって、ジェイドを睨むように見る。ガイの言葉に皆もジェイドを見る。みんなが驚いている中で一人だけ反応しなかったと。
「…知っていますよ」
しばしの沈黙の後、ただ一言だけ答える。真咲は自分からは話そうとはしないが、誰にも話さないでくれとは言っていないし。ここではぐらかしても誰も納得しないだろう。
「理由は人を『殺した』からです」
理由を話し始めたジェイドの言葉にソファーに座るルークの肩が震えたのが見えた。イオンは悲痛な面持ちを浮かべ、他の者はそれが?理由が分からないという表情をしている。
「それだけなんですか?」
「真咲の世界では人を殺すのはどんな理由でも『重罪』だそうです。場合によっては『死刑』にもなるそうです」
「…そんな!」
ティアが口にした疑問をジェイドが答えれば、ナタリアは口元に手を持っていき、信じられませんわ!と驚きの声をあげる。
「元の世界に戻ったときにその記憶がなくなるとは限らない。その罪の意識に耐えられるか分からないと、真咲は言っていました」
最後に、それが理由ですと言うと、全員が口を閉ざした。この世界では大したことはないが、真咲の世界では違う。正直、彼女はこの世界で生きていくには優しすぎる、とも思う。
「だから、真咲をマルクト軍に?」
「イオン様?」
最初に沈黙を破ったのはイオン様だった。下に落としていた視線をイオン様に向ける一同。、どういう意味だ?とガイがジェイドの隣に来る。真咲が軍人を名乗っているのは真咲の正体を知られない為のはず。