14話 揺らぐ心
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「ルーク、ここは取引に応じましょう。今は早くイオン様を奪還してアクゼリュスへ急いだほうがいいわ」
訳のわからないままアッシュを見つめていると話がいつの間にか先に進んでいた。イオンを渡す代わりに、戦闘をここで打ち切ろうというもの。陸路の分、遅れているからこれ以上の遅れはマズイとジェイドが言うと、ルークはわかったと頷いた。
「イオン様!」
開放されたイオンの側にアニスが真っ先に近寄り、無事を確かめる。
「…迷惑をかけてしまいましたね」
力なくそう言う姿に疲労が伺えた。ダアト式譜術を使わされたせいだろう。イオンから、もう一度視線をアッシュに向ければ彼は私をまだ見ていた。それは、なぜか悲しそうに見えた。
「そのまま、外に出ろ。もしも引き返してきたら、その時は本当に生き埋めにするからな」
シンクの脅しともとれる言葉に私たちはザオ遺跡を後にした。
「真咲っ!?」
遺跡の出口に差し掛かったところで私は腹を押さえて膝をついた。先ほどの戦闘でシンクに蹴られたところの痛みが限界だった。
「シンクにやられたとこか?」
怪我の原因を知っているガイが真っ先に側に寄ってきて、みんなも側に寄ってくる。
「だ、大丈夫。それより、早くいこ」
杖を使って立ち上がる。怪我してばっかだから、あんまり迷惑を掛けないようにしないと…掛けたくない。
「でも…」
「大丈夫。早くしないと、日が暮れちゃうよ?」
なんとか笑顔を作って歩き出す。夜になると魔物が増えるだけでなく、砂漠は急に寒くなる。だから、早く、戻らないと。杖を突いて先に歩き出すと隣にジェイドが来た。