14話 揺らぐ心
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「私がやりましょうか?」
ジェイドに振り返る。バチカル廃工場の時のように光の玉を作るか訊く。
「…体に負担がかかるのでは?ただでさえ、砂漠をここまで歩いてきたのですよ」
「大丈夫です」
「ですが…」
最近…元の世界に帰らない宣言からみんなが妙に優しい気がする。そんなに気を使わなくてもいいのに、と思いながら笑みを零して杖を召喚して構える。「光よ」と言葉を紡げば先日のようにいくつかの光の玉が現れる。途中、何度も魔物に遭遇したが私はさすがに今回は非戦闘員にされた。前回、怪我をしてしまったから。全員から威圧されては従うには他はなかったんだもん…特に女性陣から、顔に怪我したから?
「真咲。もういいですよ」
少し疲れが出たのが見えたのか、ジェイドが私の肩に手を置いた。かれこれ二時間近く術を発動しぱっなしだったし、正直疲れていた。無言で頷いて杖で地を叩く、それと同時に光の玉は消える。
「顔色が悪いですわ」
近くにいたナタリアが私の顔を覗き込んで声を掛けてくる。そう言えばナタリアのほうが背が高いんだっけ。
「大丈夫だよ」
心配を見せないように笑って答える。これ以上、みんなに心配はかけたくない。
「イオン!!」
そのとき、前からルークの声がした。橋を渡った先にイオンがいた。イオンだけではなく、シンクにラルゴそしてアッシュ。
「導師イオンは儀式の真っ最中だ。おとなしくしてもらおう」
「六神将…」
私たちの前に立ちはだかったラルゴにぽつりとティアが呟いた。