14話 揺らぐ心
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明かされてもいい心
隠し続けたい心
どちらも『私』という存在
「ジェイドさん」
「なんですか?」
廃工場を出てから、アニスと最後尾を歩いているジェイドに声を掛ける。雨はもう止んでいて、砂漠に近づいたせいかかなり暑い。そんな暑さを感じさせないジェイドと若干暑さに参っているアニスがこちらを見る。
「…ナタリアに『私』の事、話してもいいですか?」
廃工場内を移動しているときから考えていた。ナタリアに私はこの世界の住人ではなく"異世界"から来たと話すことを。どうせ長い付き合いになるんだから早いうちに話しておいたほうがいい。
「…まぁ、いいでしょう」
ちょっと間を置いてから返事をした。相手が"ナタリア"だからあまりいい顔はしていないけど。視線を感じてちらちとそちらを向けば、ジェイドの隣を歩いていたアニスがニタニタと笑っている。
「なんで、大佐に確認するのぅ~?」
「ジェイドさんは私の上司だから。私がマルクトの人間で、ナタリアはキムラスカの人間だしね」
そこまで言えばアニスも分かったみたいだ。たとえ私が異世界の人間だろうと今はマルクト軍に所属している軍人、その上司はジェイドだ。一応、和平が締結したとは言え、敵国に異世界の人間がいるのだからそれはそれで問題だ。
「ナタリア」
前を歩くナタリアに私が声を掛けるとナタリアは、なんですの?と振り返る。
「話があるの」
ナタリアの隣に立つ。話があると言えば、きょとんとした顔をして首を傾げた。先頭を歩く、ガイとティアも何事かと首をこちらに向けた。