12話 行き着く先は…
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「今回の和平締結の親書にアクゼリュスの救援の要請が記されています。和平が締結されれば、キムラスカの協力を得てアクゼリュスを救援に向かいます」
この先の展開を知っている。アクゼリュスは崩落する。そのことを顔に出るとマズいので、ティーカップを顔を隠すように両手で持って入れてもらった紅茶を啜った。
「直ぐにでもあなたをグランコクマに連れて行きたいのですが、その後になってしまいます。だいぶ、先になってしまうので…」
申し訳ありません、と。その事はどうでもいいのだが、別のことで私は正直困っていた。アクゼリュスを物語の通り崩落させるか、それとも崩落を阻止させるか。阻止を選ぶなら、今ここで、ジェイドに全てを話さなければならない。
「…わかりました。私も今は軍人です、出来る限りのことはしたいです」
今は答えが出ない。止めるのが最善の策なのだろうけど。でも、アクゼリュスに着くまでには何かいい手を考えよう。
「ありがとうございます」
お礼を言うジェイドを見て、私はふと思いついた。首にかけていた指輪のついたチェーンを外して掌に乗せ、ジェイドの前に突き出した。当然、いきなり何だ?という顔をされた。
「――これを預かっててきださい。私が、何があってもみんなを裏切らない証として」
真っ直ぐ、ジェイドを見つめて言う。これは、私にとって大事なもの。
「…大事なものなのでは?恋人から貰ったものなのでしょう、それに――」
「確かに私の一番大事なものです…理由は、今は言えません」
私が隠し事をしていることはジェイドも重々承知しているはず。アクゼリュスに着いた際、私自身どんな行動をするかなんて分からないし。ジェイドは一度目を伏せてから、私の手からチェーンを受け取った。
「――いつか、話してください。それまでこれは、私が預かります」
手に取ったチェーンを握り締める、ジェイド。
私は返事の代わりに微笑む。
「明日も早いですから、今日はもう休みましょう」
私のチェーンをポケットにしまい、空になったティーカップを持って立ち上がる。それを見て私が片付けると言うと、やんわりと断れた。その後、久々にふかふかのベッドに身を沈めて眠った。いつも夢を見ることなく。
真実はいつでも怖いもの
私はどうしたらいい?
でも、黙って見逃すことは
出来ないんだ