12話 行き着く先は…
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「話したくないのならもう無理には聞きません。ですが、あなたのことを心配しているということは分かって下さい」
私の頬に手を置き、親指で私の涙で濡れた目を拭う。顔を上げれば久々に見るジェイドの優しい笑みがあった。――なんで、責めないの?そんな疑問を浮かべながら、私は顔を上げる。
「はい――いつか。いつか、きちんとお話します」
今の私の精一杯。あの事を口に出してしまうと、私はみんなと違うということを認めることになる。それが、怖かったんだ。
「わかりました…あと、先ほどはよくできましたね」
返事をしたあと、急に声音が優しくなった。先ほど?何のこと?私の頬から手を放して微笑む。
「謁見の間でのことです。私が前に出たとき、よくあなたも動きましたね?」
そのことか、ぽんっと手を打つ。
「えっと、何となく、そうしないとって思って」
「大変よく出来ました♪」
私がその時のことを思い出しながら言えば、ジェイドは楽しそうに言いながら私の頭を撫でる。ぶーっとアニスみたいに頬を膨らませれば、頭を撫でていた手を私の頬に滑らせて顎に持っていき、くいっと顎を持ち上げてジェイドは顔を近づけてきた。
「頭を撫でられるより、こちらのほうをご所望ですか?」
艶やかな笑みを浮かべながら、鼻先がくっつきそうな位置まで顔を近づける。
「な、えっ…!?」
久々に顔に熱を感じた。あと数センチ近づけば、キスしてしまう距離だ。
「冗談です」
手を放し、にっこりと笑うジェイド。へたり込みそうになる。冗談にしても程がある。けど、これは気を使ってくれているんだ。私が気にしたまま、引きずらないようにと…そう思うと顔が緩む。